エンカウンターグループから得た人への信頼と理解の大切さについて【感想】

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世界で有名な心理学者、カールロジャースが提唱した集団心理療法のエンカウンターグループ。

エンカウンターグループに参加してみて、その内容と感じたことを徒然と書いていきます。


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エンカウンターグループってなに?

心理学を学んだことがある人なら知っている人も多いかと思いますが、知らない人のためにエンカウンターグループについて簡単に説明します。

エンカウンターグループとは心理学者カール・ロジャースが提唱した集団心理療法です。指示やアドバイスをすることなく8~10人が車座になりそのとき感じるままに本音を話し認知し合うことで気付きや受容、自分らしさという在り方を取り戻すことを目的としています。

エンカウンターグループは2種類ある

エンカウンターグループには2種類あります。

・非構成エンカウンターグループ

テーマなどは決めず、その場にいる人がその場で感じたことなどを自由に話し展開していく。カウンセリングの素養を持ったファシリテーター(促進者)を位置づけるがファシリテーターの意味はリードすることや権威を示すものではなくあくまでも参加者としてタイムマネジメントや参加者が安心して話せることなどプロセスのサポートを目的とする。

・構成的エンカウンターグループ

非構成とは異なりあらかじめ課題やテーマを用意され、それに沿ってエクササイズ形式で展開される。

共通の体験により自己発見や他者理解を通し、深いエンカウンター(出会い)の交流を深めていく。

エンカウンターグループを知ったきっかけ

エンカウンターグループを知ったきっかけは当時読んでいた本でした。
自分の仕事をつくる (ちくま文庫)

働き方に興味を持った当時、働き方研究家の西村佳哲さんの本を読み、そこにエンカウンターグループの記述がありました。働き方を考える上で求められるその人自身の「在り方」というものを取り戻す方法とも言うのでしょうか。とても惹かれ実際にやってみたいと思いたちました。

自己一致していない自分に気付いた

エンカウンターやカールロジャースについて調べていくうちに私が深く共感したところは「自己一致」という概念でした。

人は自己経験(あるがままの自分)と自己概念(そうであるべき自分)が一致していること。

すごく単純に言うと自分に裏表がない状態。

これが人間の健全なパーソナリティにとって不可欠なものであり、逆に一致していない状態が自己不一致といい不適応や心の病をもたらすと考えました。

こうであるべきに囚われて自分の本心を押し殺してしまうことは社会の中で往々にしてあり、真面目な人ほどそれが過剰になり心の病気になるということ。

カール・ロジャースの理論は植物が花を咲かせるように、人間は自己一致することによって自分らしさは育ちその力を発揮し実現させることが出来るということでした。

人の命への信頼がそこにはあります。

ロジャースは来談者中心療法(パーソンセンタードアプローチ)でも患者を患者と言わずクライエント(来談者)と呼び、カウンセラーに知識の量や権威、資格はいらずカウンセラーに必要な要素として

  • 無条件の肯定的関心
  • 共感的理解
  • 自己一致

がカウンセラーの態度として最も重要であるとしていました。

当時の私が働き方についての本を読んでいたのは会社という働き方について悩んでいたからです。

社会人ならこう思うべき、こうするべきといったものに押しつぶされ自分自身と言うものが見えなくなっていた。違和感を感じつつもそれを感じることはいけないと思うことが責めや罪悪感を生み、鬱々とした毎日になっていた。

その中でこの自己一致という概念に出会って、ああ自分は本来の自分に嘘をついてそれを本当にしようとしていた。だから苦しかったのだと気づけました。

それから私はそのロジャースが実践したと言われるエンカウンターグループをやっているところを探し実際にやってみるに至りました。

エンカウンターグループを実践してみて

実際にエンカウンターグループを実践してみて、私がまず驚いたのは本音で話すことの難しさでした。

私がやったのは非構成のエンカウンターグループでフリートークで進んでいくもの。

まず最初に簡単な自己紹介。肩書きや年齢、出身などを言う一般的な自己紹介とは違い自分のいま感じてることでも、最近あった出来事、興味でも、あだ名だけでもなんでもいいとのことでした。

その後は自由に話してもいいのですが最初はみんな沈黙。

でも沈黙も自由なんです。無理に話そうとしなくてもいい。

しばらくするとファシリテーターの人が自分の話や、自己紹介などから関心をもった話題について聞いたりして、徐々に場が和みそれぞれが質問したり、自分が最近感じてることなどを話しだしました。

自分もなにかを話そうとするのですが、本音の話をするということは思いのほか勇気がいることで当たり障りのない質問や受け答えばかりしていました。

本当はいつも考えてることや、違和感を感じてること、仕事について、人間関係についてなど話したいと思っていたことが沢山あったのにいざ人を前にすると頭にすら浮かばない。

初対面だからしょうがないかもしれませんが、これが親しい友人や家族でも多分言えないだろうなと思いました。普段からいかに自分が本音で話すことに慣れていないかを痛感しました。そういった居場所がないという事実にも。

そうして初回はほぼ会話を聞いているだけだったのですが人の会話を聞くだけでも発見や気付きがありました。

それはある60代くらいの女性と30代くらいの男性のやりとりでした。

女性は自己紹介のときに精神世界について興味があり、心理学のコミュニティに入り勉強していることなどを話していました。それから話も進み、参加者の人が興味のあるセミナーに行ったところ傷つく言葉を言われた経験を話しました。

その話の流れから思いあたるところがあったのか30代の男性が「世間でよくあるそういうセミナーとかスピリチュアルとかが自分は嫌いだ」「お金をだまし取ってるだけだ」というような多少熱い言葉が続いたとき、60代の女性が突然こう言ったのです。

「それ、私のこと言ってるんですか??」

男性は突然のことでびっくりして返答がしどろもどろになり、「いや、僕はただそういうのが嫌で…」と言うと

「私のことを言われてるようで否定された気分になります」

とさらに強い口調でなげかけました。

そこで会話が止まってしまい沈黙になったところで他の参加者の人が男性に

「私はわからなかったんですが、さっきの発言は〇〇さん(60代の女性)に対してなにか思うことがあって言ったんですか?」と質問しました。

男性は

「いやまったく、、以前実は自分もセミナーで騙されたと感じたことがあって…それを思い出してつい言葉が熱くなって、、」

と、自身の体験を拙く語りはじめました。

女性についても質問がありそれに答えていくうちに、女性はみんなの反応や男性の話を聞くうちに自分が関係のない別の話を繋ぎ合わせて怒ってしまったことに気付いたのか落ち着き、そして静かに考え始めました。

 

私はこの一連の流れを見て、パターンや程度も違えど、会話の足りなさやちょっとした思い込みや誤解から生まれるすれ違いは日常にたくさんあって、それをひとつずつほどくこと、丁寧に理解するまで会話することの大切さを学んだような気がしました。

自分に思考の癖はないか

誤解はないか、それを伝えられるか

本心はなにか

 

ごまかさずに伝えることで気付くこと、流される感情というのは確かにあって抱えてる心のモヤモヤを吐き出すことの大切さも学びました。

今回の件でも女性がそう思っていても言わずに黙っていたら誤解されたままです。

2人だけで会話していたとしても、男性がその誤解に対して自分の気持ちや熱くなってしまった本当の理由を伝えられなかったらすれ違ったままだったかもしれません。

帰り際に女性は男性に近づき謝って握手をしていました。

 

それから私はエンカウンターグループに何回か通い、その度に沢山の気付きがありました。

 

自分の感情に気付くこと

素直に伝える勇気

本心から理解すること

 

自分の中で理解されなかった想いや、受け止められることがなかった感情を流すこと、これが人に対する理解されない不信、受け入れられないという心の中の恐怖心を少しずつ溶かしていって自分らしい生き方、健全な人生へと繋がる。

 

エンカウンターグループのような本音で話せる場所というのは今の世の中でとても大切な役割を持つと感じました。

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投稿者: わん吉

楽しさと遊び心を大切に。

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